THE King ALL STARS 加山雄三氏 独占インタビュー
殿内会長(以下殿内):この度は、第35回横浜開港祭にご出演頂きありがとうございます。横浜開港祭というものは、横浜青年会議所が主催の一つ(横浜市、横浜商工会議所、横浜コンベンションビューローと共催)となりまして実施しております。今年で、35回目で毎年6月2日が開港記念日の為、その日を一つの軸にして開催しています。もともとは山下公園で開催をしていたのですが今はこのホテルの裏側の臨港パークに移って行っております。
加山雄三氏(以下加山):山下公園では規模が収まりきらないのですか?
殿内:来場者が年々増えまして現在70万人~80万人で、始めた当初は本当に数万人でのスタートでしたので、その時は良かったのですが、現在では、厳しくなりました。
三田歴代実行委員長(以下三田):また、この横浜開港祭の成り立ちが横浜のまちづくりの為にやっておりますので、みなとみらい地区は開発された時に行政の方からみなとみらいエリアを盛り上げてくれないか、と言われたこともありまして、現在の臨港パークに移した経緯があります。
加山:なるほど。
殿内:横浜開港祭のイベント内容は、子供が楽しめるイベントから大人も楽しめるような花火や幅広いイベントを開催しています。
加山:花火は洋上からあげるのですか?
殿内:洋上からあげております。
加山:防波堤じゃなくて船?台船?
殿内:台船でつくりまして
加山:何発くらい上げるのですか?
殿内:約3,000発くらいですね
加山:花火としては小規模ですね。
殿内:はい。この花火の特徴は、光と音を融合させて花火を演出するというのが特徴でもありまして、花火の数ではない部分があります。
草島実行委員長(以下草島):私は、今回の35回目の実行委員長をやっております、草島と申します。この度はご出演頂き誠にありがとうございます。
加山:こちらこそ。いやいやもう、呼んでいただけるだけで光栄でございます。僕、横浜出身ですから。
草島:今年は6月1日2日ということもあり、平日の開催になります。第33回横浜開港祭は、アフリカ開発会議(TICAD)がありまして、1週ずらして6月7日、8日でやった、という経緯もあるのですが、やはり基本的には6月1日2日に開催しなくては、やはり横浜のために、市民のために、開港記念日をしっかりお祝いしたことを含めて、6月1日、2日の開催としました。
加山:開港記念日が6月2日だよね?
草島:はい、そうです。2日に関しては小規模ですが花火を上げさせていただく関係で、なんとか6月1日を最大限に盛り上げたいということでいろいろ考え、6月1日午前中にラグビーのイベントを行います。その日の夜のイベントも盛り上がるものを開催したいと考え、私の父親が加山さんの大ファンでして父親にどのような方に会ってみたいか聞いた所、「加山さんだよ」と、言うことで、加山さんが来て頂ければ本当に幅広い方が横浜開港祭に来て頂いて、かつ海に対してのイメージも私自身も持っておりますので、それも伝えられたらと思いまして今回お願いをさせて頂きました。
加山:なんか凄く横浜ってとこには縁があるし大好きだし世界の3大港にも入っているし、船が大好きで何故、船が好きになったかって言うと横浜で生まれてまだおふくろの腹の中にいるときから港を見て、「あんたが船を好きになったのはね、私が港を見ながらこの海より広い心を持った子供が生まれて欲しいなって念じながらいたからね、胎教だよ」なんて言われたよ。まさに小学校にあがってからは親父のカメラ持ちだして俺、横浜を一人で横浜港の桟橋を歩いてね、船ばっかり写真撮って歩いている。まぁ胎教っていうのは、もしかしたら本当にあるのかなって思う。あと横浜の開港は、日本の玄関口だよね。まずは広げたところですからね。世界の窓口をね。そうゆう意味ではすごい意味のあるところ、意義のあるところ。そこに俺、出さしてもらえるっていうのは、非常に光栄だと思っている。
草島:この度、加山さんがご出演頂くことが決まりましたと言うことで、歴代の実行委員長の方々にご報告させて頂いたのですが、みなさん拍手をしていただけまして。
加山:ありがとうございます。
加山:いろんな思い出があるし横浜はよく来るよね。中華街行っちゃ中華食ったりね、材料買いに来たりするから本当に横浜よく来ますよ。大好きな街ですよね。
三田:私もこの度貴重な機会を頂きましたので、少し質問を考えさせて頂いたのですが、加山さんもちろん大スターなので幼い頃から知っていたのですけど、今、私が40歳で母親が65歳になるのですが、母親が当時さだまさしさんのファンで、さだまさしさんのコンサートのカセットを「あんたこれ聞いてみなさいよ。」と、コンサートのカセットなのですが、要はそのMCの所も全部収録しているのですが、半分はお喋りです。その中でさだまさしさんが、加山雄三さんがいかにかっこいいかみたいなことを凄く言われていました。「そうなのだ。」と思ってその後、いろいろ見るとやっぱりそのいろんなことにチャレンジされていて、凄くびっくりして今もかっこいい方だなと思うのですけど。今回若手の方でTHE King ALL STARSという形でご出演頂くのですが、我々含め横浜開港祭に携わってくれる方々もほぼ市民です。イベントというのではなくて僕らも企業活動の傍ら、ボランティアとして設営をしていたりとか、花火の前に市民1,000人のコーラスで横浜市歌とか歌ったりしています。
加山:へー知らなかった。
三田:ドリームオブハーモニーというのですが、25年続いているイベントなのです。
加山:そうなのですか。
三田:我々横浜市民、僕ら設営が非常に大変なのですが、やっぱり横浜が大好きで、特にこのお祭りを設営する時期、みんな寝てないで準備しています。でもやっぱりお祭りの何か神輿の担ぎ手って言うのでしょうか、準備している僕らも大変なのですけど一番感動できるし一番楽しいので、毎年頑張っております。加山さんに取りまして今回ご出演頂くTHE King ALL STARSっていうのは今加山さんにとってどんな位置付けですか。
加山:やっぱり新しい仲間っていうか、笑い話じゃないけれども歳いけばいくほど若い人と付き合いが少なくなる。年寄りと付き合うとどんどんいなくなっちゃうから。
全員:(爆笑)
加山:寂しくなるばっかりだから。自分は笑い話じゃないけどそうゆうことが有ることと同時にもともと僕はロックが好きで、この音楽ってものをスタートしたわけですよ。ロックをちゃんとやれるような人間に集まって貰いたいと考え一言言ったらマネージャーが若い人たちのアーティストの知合いが仲間に結構いたらしくて、なんとなく話したら「やってみようよ」って言って集まってきて、この13人が集まった時には仰天したよ。そんなにやる気のある人がいるのだと。一番若いのは、48歳年下ですけどね、そうなると「こりゃ面白いことをやってみよう」って。僕のその作った昔それこそ50年以上前に作ったロック系の曲をみんなに渡して「こんな感じのものを50年以上前やった時の気持ちに戻りたい」って言ったら「今、聞いても全然古くないですよ」って言ってくれたことで、気を良くしちゃったな。気を良くしちゃってノリノリでやっているうちにだんだん結束力出てきちゃって、ARABAKI ROCK FEST.14に出演したのだけど、まぁその時はちょっとボロボロなったの。何故かというと爆音すぎちゃって自分の声が聞こえないの。あれ何の為にみんなこういうね、補聴器みたいなのつけているのかなって思ったら、僕は全然嫌だからつけなかったの。補聴器に見えるからね。 やっぱりそのイヤホンってものをつけてみたら、ちゃんと音をいい音量にして耳の中へ入れちゃうから外の音を塞いでいるわけだね。それに合わせて歌えるっていうのが、その時に分かって、イヤホン付けたら気分良く歌ったら物凄く評価も高くて、その時にVTR撮ったのを見たら、「あっこれだったら出来るなっていう気持ちと、メンバーが加山さんやりましょうよ」って気持ちになったのって「毎日が新しいスタート」って気持ちを持って生きているからそういう出会いっていうものなんか物凄く有り難いなと思います。人生やっぱり出会いですよ、十分。まぁ相田みつをさんの言葉の通り。その出会いが人生を根底から変えることがある。良き出会いを。その通りだと思いますね。
三田:横浜開港祭には、おばあちゃんが孫の手を引いてやって来てくれるのです。親子三代で来てくれる。35年続いてきた結果、引き継がれたお祭りになっていて非常にみなさん楽しみにしています。
加山:それがもぅ一番!横浜らしいイベントだと思うよ。その年齢に差がないっていうか、音楽そのものも僕はね、全然仕切りがない。国境もない。年代もない。それくらい音楽はすべての人の共通点を持っているので、だから若い人の音楽をやったり或いは本当にお年寄りみんなに伝えられるような曲を歌ったりするのは好きですね僕は。だからそれが自分の身近な仕事としてあるって言うことはこれ以上の幸せはないと思うくらいね、好きです、音楽はね。みなさんが楽しんで頂ければそれはいうことないです、本当に。
殿内:THE King ALL STARSの音楽を私も聞かせて頂いて、この一曲目の「continue」っていう曲本当に若い方が好きな曲調で凄くエネルギッシュですね。
加山:そうですか。ありがとうございます。
殿内:本当にあの曲調もかっこいいのでまた当日また歌って頂けるのを楽しみにしているのですけども、本当に今回、三田の方も言いましたけれども、横浜開港祭って言うのは年数を重ねて来たことで3世代に渡るなどこれまで以上に加山さんにご出演頂き、幅広い人に参加頂けるって言うのが楽しみです。
加山:本当にね、お力になれるかどうかわかりませんけれど、まぁ呼んでもらって。要するに楽しみはね、みんなで味わってみんなで分かち合う、それが最高だと僕は思っています。楽しいことは作る方も見る方も与えられる方も参加させてもらうこと、それを楽しむ。それがお祭りというものになると思います。本当にこれ楽しみにしていますよ(笑)
殿内:もう一つお聞きしたいのですが、加山さんって色んな料理をやられたり作家やられたりするじゃないですか。このまぁバイタリティーというかこうゆうのはどうゆう所から生まれてきますか。
加山:バイタリティーはやっぱり、苦しまなきゃダメだよね。人間は。苦しいことがあればあるほどそれを何とか乗り越えようっていうその責任感じゃないけれども、これを乗り越えないと「俺、生きていけないのだ」っていう位の切羽詰まるということが体験としてあった方がいいですね。それで逃げた人はそれで終わり。逃げないで土下座しても乗り越えていくとそれだけの揚力っていうのを与えて貰えるのだよね。苦しみっていうのは試されている。僕はおばあちゃんに良く言われた。「あんたそれ、お試しだよ」って言って。なんでこんな嫌なことばかりあるのだよって、「それは試されているのだよ」って。それは最初のうちは「なんだよ。試されている」って、「試すなんてとんでもねぇな」って思ったのだけど、それをこう一つ越え、山を越えってやっているうちにね、その越えたことによって自分の気持ちの中で揚力がついてくる気がしたのだよ。浮く、だんだんね、浮力が。それじゃないかなって思うのですよ。で、心を一つの船に例えるとね、小さな心の人は小さな波でこんなになって揺れる、ところが少し大きな心になったら少し大きな波でも多少揺れる。もっと大きな心になるとそんな波じゃ全然動かなくなるね。で、そうゆう感じが非常に強い。だから動じない人とか、揺れたから、じゃどうやりゃ揺れなくなるのかなって揚力を考えるようなそうゆうことの心の状態っていのがなんかバイタリティーの元になっているような気がしてしょうがないですね。やっぱり一生懸命人が喜ぶことを本気になって一生懸命にやれるということが一番大切だから。それが一番いい考え。あなたは一体何のため生まれてるの、いやぁ金儲けの為、あぁそう。じゃあそうなれよって。それだけだよ。人が喜ぶことが好きだよねって言ったら本当に人が喜ぶことが好きですか? そうだ、それが幸せだと思えば本当にそうなる。つまり人間は思い通り生きているってことですよ。だから思うことは大切。だからねぇ、平原綾香ちゃんが歌ったジュピターっていう歌があるでしょ。最初の出だしの英語の一節、彼女自身が考えたそうだけどあれはもう全てのヒントだね。Everyday I listen to my heart 毎日自分の心に聞いているの。あんたは一体何のために産まれてきたの?って。それいつも毎朝毎晩それこそ水かぶりながら聞いているの。自分の心に。そうするとだんだんね、やっぱり人が喜ぶことだな。それしか僕にはない。そう。苦しみはまたあるでしょう。だけどもそれを乗り越える。今まで乗り越えてきたから頑張れるのではないのかなって。その繰り返しが生きているっていうことだと思う。つまり新しい毎日が新しい朝、毎日が新しいスタートになる。だからこの横浜開港祭35周年ね、今回また新しい開港、そうすると新しい試みが来た時にまた次があるから。そして本当にもっと横浜のいいこといっぱい盛り込んだらいい。そうゆう気持ちでやるといいね。それしか無いね、バイタリティーの元は。
全員:(爆笑)
三田:横浜開港祭で雨が降った時があるのですが、来場者が土砂降りの中来てくれたにも関わらずありがとうって言われて、それがすごく嬉しかったことがあります。
加山:そうだね、三大欲ってあるでしょ。その欲望には限りがあるけど、「欲望には限りがあるが、欲望には限りがあるが、奉仕」っていうのは色んな人が心から喜んで感動してくれること、その喜びが「奉仕の精神」であり、「奉仕」には限りがないものだよ。だからこそ「奉仕」だけは、天から与えられた唯一のプレゼントだよ。
殿内:最後になりますが、横浜青年会議所の2016年度の運営テーマは「創発」です。個と個の力を組み合わせることで想像以上の力を発揮できるという思いを込めています。
加山:「創発」いい言葉だね!どういう意味を含んでいるのかな?
殿内:THE King ALL STARSのメンバーの方それぞれが一流の方で多様性に富んでいる方ばかりだと思います。我々、横浜青年会議所メンバーも350名ぐらいなのですが、それぞれが異なる業種で働いているという面もあり、それぞれが異なった経験をしている人ばかりです。その多様性のある個と個の力を組み合わせるということで「創発」としております。
加山:「創発」っていうのはね、創りながら発信していくこととも捉えてもいいね。これからも横浜青年会議所メンバーとして「奉仕の精神」を持って頑張ってくださいね。
殿内:本日は、本当にありがとうございました。当日も楽しみにしております。宜しくお願いします。